同業者から不安の声…愛知・豊田市の養豚場で豚コレラ付近住民「処分場すぐ上が通学路…」（東海テレビ） - Yahoo!ニュース

東海テレビ

　愛知県豊田市の養豚場で豚コレラの感染が確定し、６日朝から殺処分が始まりました。また、この養豚場から出荷を受けた岐阜・長野・滋賀・大阪の合わせて４つの養豚場でも陽性が確認され、影響が広がっています。

　愛知県豊田市の養豚場。６日朝、国の確定検査で豚コレラの感染が確認され、県の職員らが殺処分の作業を始めました。

　この養豚業者が飼育している豚は、豊田市の養豚場で６６４０頭、田原市の施設で１６００頭の合わせて８２４０頭。県は自衛隊の協力も得て、２月９日までに全頭処分する予定です。

　しかし今回の感染は、この養豚業者だけの問題には収まりませんでした。

吉川貴盛農水相：
「極めて重大な局面を迎えていると考えています」

　豊田市の養豚業者は、ほかの業者に子豚を出荷していました。１月１８日から２月５日かけて、子豚の出荷を受けた岐阜県、長野県、滋賀県、大阪府の合わせて４つの養豚場でも豚コレラ検査結果は、陽性でした。

　このうち、２月３日に子豚８０頭を入荷した岐阜県恵那市の養豚場では、６日午前１０時半ごろから飼育するおよそ４０００頭全ての殺処分を開始。出荷先の４つの農場で殺処分の対象になるのは、合わせておよそ７６００頭にのぼります。

　これまで豚コレラの感染が確認されていたのは、岐阜県。かなり離れた豊田市で豚コレラが発生したことに、愛知県内の同業者からは不安の声があがっています。

知多ピッグ都築周典代表取締役：
「ついに愛知県に入ったか。うちもすごい飼育数だし心配。今回の豚コレラは流産（の症状）で分かったと聞いたので菌が弱い。どうしても（気付くのが遅くなって）手遅れになってしまうね。豚にエサをやるには（エサを運ぶ）車を入れなければならない、だからそのへんが一番怖いね」

　豊田市をはじめ、周辺の養豚場の近くには、感染拡大を防ぐため、急きょ出入りする車を消毒するポイントも…。

　また豊田市内では、豚コレラの感染と大規模な殺処分の開始を受けて、周辺住民らへの説明会が開かれました。

愛知県の担当者：
「豚コレラのような病気が出ますと、心が痛むわけでございます。殺処分なんていうのは、本当にやってはいけないことだし、やらないことが一番だとは思うんですが、日本の畜産、養豚業を守るためには、どうしても早急に病原体を封じ込めるということで、埋却措置というのをとっておりますので、ぜひご理解をいただきたい」

　今後の防疫措置や安全対策についての県の説明に対し、参加者からはいくつも質問が飛びました。

参加者：
「マスク着用というのをいま検討していますが、効果は？」

担当者：
「ウイルス自体が人間に感染するとかいうことはございませんので、ないので特に必要はないと思います」

参加者：
「処分場のすぐ近くが通学路になっています、生々しい光景を（中学生の目に）触れないように…」

担当者：
「はい、外から見えないように」

　また、豊田市での豚コレラ発生の影響はこんな所にも…。

　名古屋市天白区の「名古屋市農業センター」。市民に農業に親しんでもらうための施設で、豚コレラへの感染が確認された豊田市の養豚場から、およそ１０キロの場所にあります。

センターの担当者：
「こちらが豚舎です。昨日の発生情報をうけて、けさ、急遽立ち入り禁止にして消石灰を散布しています」

　県内での豚コレラの発生をうけて、開園前にブタの飼育施設のまわりを消毒し、コーンや柵を設けて立ち入り禁止に。メスのミニブタ「あんこ」の展示を取りやめることも決めました。

センターの担当者：
「羊とヤギにもエサやりできるんですけど、特にお子さんで楽しんでやっていただく方が多かったですね。これから、しだれ梅まつりといって農業センターでも一番大きなイベントが始まる時期になっていきますので、たくさんの来園者がみえる時期。しっかりとうちの豚に感染させないような対策をとっていきたいと思っています」

　農業センターでは一部立ち入り禁止のエリアを設けていますが、営業は続けるということです。

　豚コレラの感染について、北海道大学大学院の迫田義博教授は、「感染している豚やイノシシの唾液や尿、人やモノに付着したウイスル、たとえば靴や、車のタイヤに付着したウイルスが持ち込まれて感染する」といいます。

　一方、感染した豚を食べた場合については、「加熱すれば豚コレラのウイルスは死滅する、万が一生で食べても人への感染はないので心配しないように」と話しています。

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