娘に対する夫の暴行を「やめて」と制止したと供述していた母が4日、一転して共謀したとの傷害容疑で逮捕された。野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん(10)が死亡した事件。「なぜ守ってあげられなかったのだろう」。両親の関与が疑われることになり、周囲に新たな衝撃と悲しみが広がった。 母親のなぎさ容疑者(31)は4日朝、捜査車両で野田署に入り、逮捕された。1月25日に父親の勇一郎容疑者(41)が逮捕された直後、千葉県警の任意の事情聴取では、勇一郎容疑者が夜中に娘を起こしてずっと立たせるのを制止していたと話していた。捜査関係者によると「暴行を止められなかったことを反省している」と供述しているという。 心愛さんは、沖縄県糸満市から野田市へ転居後の2017年11月に実施された学校のアンケートで「お父さんにぼう力を受けています」とつづった後、担任が聞き取った欄外のメモには「お母さんはみかたしてくれるが、父は母のゆうことをきかない」「おきなわでは、お母さんがやられていた」との記載もあった。 「お母さん、怖いよ」。自宅マンション近くの住民は、母親に助けを求めて泣き叫ぶ心愛さんとみられる女の子の声を聞いていた。 心愛さんの自宅マンションの部屋の前には、花束やお菓子などが供えられている。同じマンションに住む50代男性は、ランドセルを背負った心愛さんを車に乗せ、学校に送るなぎさ容疑者を見かけたことがあった。「優しそうな雰囲気だった。事件に関わっていたとしたらショック」と伏し目がちに話した。 近くに住む女性(44)は、勇一郎容疑者と次女(1)と一緒に歩くなぎさ容疑者とすれ違ったが、うつむき気味で、あいさつをしても返答がなかったという。「元気がない様子で悩みがあったのだろうか。残される小さい子どもがかわいそう」と心配した。 笑顔であいさつする心愛さんが印象的だったと話す男性(62)は「家族といるところは見たことがなかった」。野田市にある心愛さんの親族宅近くの男性(70)は「(なぎさ容疑者が)同じ部屋にいながら、なぜ守ってあげられなかったのだろう。心愛さんを思うと大変かわいそうだ」と悲痛な様子だった。 ◆保護解除後の対応批判 県児相聞き取りで厚労省 野田市立小4年の栗原心愛さんが自宅で死亡した事件で、厚生労働省の職員が4日午後、県庁を訪れ、事件の経緯やその後の対応について県柏児童相談所の二瓶一嗣所長らへの聞き取り調査を行った。同省担当者は一時保護解除後の児相の対応に問題があったと指摘。事件の検証や、県内児相が指導中の他の子どもの安否確認に全力で取り組むよう求めた。 厚労省の担当者は柏児相、県児童家庭課、野田市の担当者らから2時間半にわたって事情を聞いた。 終了後、同省の虐待防止対策推進室の宮腰奏子室長は「一時保護解除時の家族全体の状況の評価や、解除後の支援体制、学校との連携に課題があったのではないかと申し上げた」と話し、今後の検証や、児相が指導中の子どもの安否確認を「しっかりやっていただきたい」と求めた。 Let's block ads! (Why?) via トップニュース - Google ニュース http://bit.ly/2BwwbRt |
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