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メイ首相は「悲惨なほど交渉力なく頑固一徹」 EU離脱混迷の責任は... - Newsweekjapan

<2度目の国民投票になれば、前回以上の大差で離脱派が勝利する――。国民投票で離脱派の急先鋒だったナイジェル・ファラージュはこう予想する>

※2019年2月12日号(2月5日発売)は「袋小路の英国:EU離脱3つのシナリオ」特集。なぜもめている? 結局どうなる? 分かりにくさばかりが増すブレグジットを超解説。暗雲漂うブレグジットの3つのシナリオとは? 焦点となっている「バックストップ」とは何か。交渉の行く末はどうなるのか。

◇ ◇ ◇


テリーザ・メイ政権は去る1月15日の採決で、決定的な敗北を喫しただけではない。政府の提案がこれほどの大差で否決されたのは前代未聞だ。

イギリスのEU離脱に向けてメイのまとめた協定案は230票(下院定数の3分の1を超える数だ)の大差で否決された。否決は予想どおりだったが、その票差は大方の予想をはるかに上回るものだった。まさに「大惨事」、いやそれ以上に悲惨な事態だ。

イギリスがこのような事態に陥ったことの責任は、どう見てもメイ首相にある。彼女自身が、今のイギリス政治における最大の問題だ。悲惨なほど交渉力が足りないのに頑固一徹な彼女が、国民に潔いEU離脱をもたらす障害となっている。まともな人間なら、とっくに職を辞しているはずだ。

この2年間の交渉を通じて、メイはEU官僚にずっと主導権を握られていた。彼女の指導力不足は明らかで、まるで和平交渉に引き出された敗軍の将。破綻した政治的プロジェクトに見切りをつけると民主的な投票で決めた独立国の指導者には見えなかった。

いい例が2017年12月8日だ。メイはEUのミシェル・バルニエ首席交渉官が決めた日程を忠実に守るため、午前4時15分に出発してブリュッセルに赴き、英領北アイルランドと(EU加盟国の)アイルランドの間で「国境」が復活するのを避けるバックストップ策に原則合意した。それでは英本土と英領北アイルランドを分断することに、事実上のゴーサインを出したに等しい。

唯一の打開策は再投票か

これは彼女のEU側への服従を象徴する例だった。こうした失敗が、EU残留派の議員たちに付け込まれる隙を生み出した。残留派はこれで勢いづき、事あるごとにEU離脱に向けたプロセスに割り込み、骨抜きにしてきた。2度目の国民投票という要求が噴き出したのもこの時だ。

皮肉なもので、メイがEU側とまとめた協定案に対しては離脱派の議員も残留派の議員も一致して反対した。だから、あの無惨な結果となった。

離脱派から見れば、メイの提案は大切な主権の回復を不可能にするだけでなく、離脱に伴う清算金390億ポンドの支払いを強いるものだった。一方で残留派は、何としても2度目の国民投票に持ち込み、離脱を撤回させたいと考えて反対票を投じた。

その本質において、メイの提案は降伏文書以外の何物でもなかった。それも当然。そもそも彼女は2016年の国民投票で離脱反対の票を投じている。「2度目の国民投票が行われたら離脱と残留どちらに票を投じるか」と問われたときも明確な答えを避けている。

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