【ニューヨーク=橋本潤也】南米ベネズエラの混乱を巡り、米州諸国でつくる「リマ・グループ」は4日、カナダの首都オタワで緊急会合を開いた。会合後に発表した宣言で、グアイド国会議長をベネズエラの暫定大統領として支持し、自由で公平な選挙の実施を求めた。グアイド氏支持は欧州にも広がっており、独裁色を強めるマドゥロ大統領に対する国際社会の圧力が高まっている。 リマ・グループは、カナダやアルゼンチンなどベネズエラに民主化を迫る14か国で構成する。会合には、ベネズエラ問題で中立姿勢のメキシコを除く13か国の外相らが出席した。グループに属していない米英などからも代表者が参加した。 宣言では、マドゥロ政権を支えてきたベネズエラ軍に対し、グアイド氏への「忠誠心を示す」よう求めたほか、「軍事力を行使せず、政治的かつ外交的手法を通じて平和的な権力移行を支持する」と強調した。トランプ米大統領がベネズエラへの軍事介入の可能性を示唆したことを念頭に、米国とは一線を画した形だ。 また、カナダのトルドー首相は会合の冒頭、ベネズエラ国民への人道支援のため、5300万カナダ・ドル(約44億円)を拠出すると表明した。信頼できる機関を通じて、食料や水、医療品などの提供に充てるという。グアイド氏もビデオメッセージを寄せ、「国際的な支援のおかげで、我々は自由に近づきつつある。今こそ圧力を強める必要がある」と支援を求めた。 米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、メキシコは7日に「中立国」を集めた会議を開く予定だ。 世界有数の産油国であるベネズエラを巡っては、中南米での影響力拡大を図る中国やロシアが反米左派のマドゥロ政権を支援しており、大国による覇権争いの様相も呈している。 ◇ベネズエラの混乱 2014年以降、原油価格の下落による外貨不足などで経済は破綻状態に陥り、激しい物価上昇が継続、多くの国民が国外に流出している。マドゥロ大統領は昨年5月、有力な野党候補を事実上排除した大統領選で再選された。今年1月、2期目をスタートさせたが、野党指導者のグアイド国会議長が暫定大統領への就任を宣言し、政情不安に陥っている。 【ロンドン=広瀬誠、リオデジャネイロ=田口直樹】英仏独など欧州19か国は4日、共同声明を出し、ベネズエラのグアイド国会議長を暫定大統領として認めると発表した。声明では「ベネズエラ憲法に従い、自由で公平、民主的な大統領選を求める」と要求した。 来日中のメルケル独首相も4日、安倍首相との会談後の共同記者会見で、グアイド氏を「欧州各国にとって窓口となる人物」として暫定大統領として認める意向を示した。 これに対し、ベネズエラ政府は反発している。アレアサ外相は4日の声明で、「正統なマドゥロ政権を倒そうとする米政府の戦略に屈したいくつかの欧州の国々の決定を拒絶する。こうした国々との2国間関係を全面的に見直す」として暫定大統領を承認した国々との断交を示唆した。 一方、菅官房長官は5日午前の記者会見で、欧州各国がグアイド氏を暫定大統領に承認したことを受けた日本の対応について明確な言及を避けた。菅氏は「ベネズエラにおける民主主義の改革に向けた動きが平穏に進むことを強く期待している」と述べ、各国の動向を注視する考えを示した。 Let's block ads! (Why?) via トップニュース - Google ニュース http://bit.ly/2SenxS1 |
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